水槽へ熱帯魚入れる正しい入れ方(水槽へ移す際の水合わせ)
熱帯魚を購入してきたら、いよいよ自分の自宅水槽へと魚を入れる、引っ越しの作業です!
この「水槽への生体の移し方」とする作業は、「熱帯魚の生体に影響を与える」重要な作業です。
購入してきた熱帯魚を、そのまま袋ごとすぐに自宅水槽へ入れる・・・なんてことをしてしまうと、生体へ大きなダメージを与えてしまいます。
その結果、引っ越し後すぐに死んでしまうことも…。
そんなことにならないように、水槽への入れ方の手順をしっかりと踏んで、魚にとって気持ちのよい水槽への入れ方をしてあげましょう!
ストレスなく自宅の水槽に引越しをさせてあげること、それがアクアリストが熱帯魚に最初にしてあげられる愛情ですね。
水合わせを必ずやろう!
新たに購入してきた熱帯魚を、自宅の水槽に入れる場合、「水合わせ」という作業が非常に重要です。これをしっかりと実践しない場合、熱帯魚はすぐに死んでしまいます。
水合わせの必要性
水合わせとは、熱帯魚に合わせて「少しずつ水質、水温をならしていくこと」です。
熱帯魚は環境変化に非常に弱い生き物であり、急に異なる環境へと移してはいけません。
買ってきた熱帯魚は、いきなり水槽に入れるのではなく、必ず少しずつならしていくことが重要です。大切な熱帯魚の命に関わることですので、水槽への安全な入れ方をしっかりと実践しましょう。
水合わせのやり方(基本編)
アクアショップなどで購入した熱帯魚は、ビニール袋に入れて、酸素を供給した状態で輪ゴムなどで閉じられているかと思います。
このままの状態からスタートしてかまいません。
次のステップ順に着手します。
① 生体を入れる水槽と水温を合わせる
ビニール袋に入った状態のまま(開けなくてOK)、引っ越し先の水槽にビニール袋ごと浮かべます。
30分くらいこのままにし、水温をまず合わせましょう。
生体の数が多いなら、袋の中で弱めのエアレーションをしてあげるとよりベストです。(ショップが酸素注入の考慮をしてくれていますが酸欠防止で念のために。)
② ビニール袋の中に、少しずつ水槽の水を段階的にいれる
30分も経過すれば、水温はほぼ同じになっています。
次に、水槽の水を少しずつ袋に移し、水槽の水質と購入したショップの水質(ビニールの水)をならします。この時、一度に大量に水槽の水を入れてはいけません。5回くらいに分け、5~10分程度の間隔で水槽の水を少量ずついれていきましょう。
2回目ぐらいの注水から、水槽の水を入れた分と同量程度を、ビニール袋から水を捨てましょう。
もし、水が多くなってきたら、ビニール袋の中の水を捨て、水量を調節しましょう。
この作業は、水槽内にビニール袋を浮かべたまま行うこともできますが、バケツなどに移して行うことでも構いません。作業的にはやりやすいです。
ただし、バケツに移す場合は、ヒーターなどを用意しない限り、水温変化がおきやすいです。水槽に生体を移す直前には、水槽とバケツ内の水温を比較チェックをした方がよいです。
特に冬の期間は要注意です。室温との兼ね合いによりますが、部屋が寒いとあっという間にバケツの水温が低下します。
③ ②の手順後、ネットで魚をすくい水槽に移動する
ここまできたら、あとは生体のお引越し。
このときは、バケツに移して作業をした方がやりやすいですが、ビニール袋のままでもできるならかまいません。どちらの場合でも、バケツや袋の中の合わせ水は、水槽内へ入れないようにします。
魚をネットですくって、生体だけを水槽内にやさしく着水して移動させてあげましょう。ショップの水は極力入れないようにした方が良い理由は、病気やスネールの卵などを持ち込むリスクが増え、既存の水槽環境にマイナスな変化を起こしてしまう可能性があるためです。
ちょっとしたひと手間が、かわいい魚たちを守ることにつながります。
これで水合わせは完璧です! 元気に過ごせているか、引っ越し後の生体の状況を時々チェックしてあげましょう。
他の水合わせのやり方(慎重編):点滴法
より慎重な水合わせの方法として、「点滴法」という手法があります。水槽の水を、人間の医療で用いられる点滴のように「ポタッポタッ」と、少しずつ時間をかけて、水合わせをしていく方法です。上述した基本編の水合わせと違い、一度に水質の変化が起きにくく、生体にとってダメージを限りなく減らせる方法です。
用意するものも、「一方コック」と「エアチューブ」程度ですので、コストも少なくてすみます。生体への負担を小さく抑えられるため、アクアリストはなるべくこちらを用いた方が良いのでは、という自論があります。
①水温を合わせる
こちらは、基本編と一緒です。30分くらい水槽に浮かべて水温を合わせます。
➁バケツに移す
①のあと、バケツに袋の水をすべて入れます。
③「一方コック」と「エアチューブ」をつなげ、サイフォンの原理で水を呼び戻す。
エアチューブと一方コックをつなげます。一方コックを全開に開放し、水槽の中にすべて沈め、チューブ内に水を完全浸透させます。その後、一方コック側を水槽から取り出し、水槽より低い位置で生体の入ったバケツを置き、一方コックをバケツ内に配置します。もう片方のチューブ側は、水槽内の水中に留めさせます。
➃一方コックを絞り、1秒1~2滴ほどで水滴が垂れ落ちる調整をする。
コックの開放を行えば、高低差がある環境ではサイフォンの原理が働き、水が滴り落ちます。この徐々に落ちる水で、水質をゆっくりと合わせます。できればエアーポンプを設置してあげ、その上にコックの水が落ちるようにすると、水が攪拌されよりリスクの少ない水合わせが実現できます。
⑤2時間くらい時間を置く
➃の間、増えて溜まった水は一定間隔で一定量を捨てましょう。徐々に水槽の水の割合を高めさせます。これを繰り返し、2時間程度時間をかけたら、水合わせは完了です。
⑥水温チェック
2時間程度バケツに入れておくと、特に冬場などは水温変化がおきやすいです。最終的に水温チェックは再度行い、必要に応じて水温合わせを最後に行いましょう。問題がなければ生体のみを水槽に移動させます。
これにて終了。
以上で水合わせは終了です。
作業自体は簡単なものですが、面倒くさがって早く入れてしまう人、リスクを軽視する人なども存在します。
水合わせは熱帯魚の飼育を成功させる、大切で重要な作業です。
熱帯魚のことを考え、丁寧にゆっくり実施してあげましょう。