熱帯魚の水換えの時期ってどのくらい?
熱帯魚水槽の水は、毎日少しずつ汚れてきます。これは魚のフンや水草の老廃物、そして日々の餌(エサ)やりによる「富栄養化」が原因です。
熱帯魚水槽の水換えは、いつ実施するのが適切なのか? そのあたりを説明していきたいと思います。
・水換えが必要な理由
・水質検査からわかる水換えの時期
水換えが必要な理由
日々の餌(エサ)やりから、水は「富栄養化」していきます。
魚は、成長へ必要な栄養を体内に摂取し、消化吸収を経て不要物を排泄するという一連のサイクルがあります。これは植物である水草にも同じようなメカニズムが存在しています。
これらの排泄物は、水槽内に自然発生し生息している「バクテリア」の存在により、分解されて比較的無害な物質へと変わります。しかし、この分解された物質は、徐々に水槽内に蓄積をしてくるようになります。
これらは硝酸塩と呼ばれる物質であり、この硝酸塩の濃度を薄めるために、熱帯魚水槽の水換えが必要になってくるのです。
水質検査からわかる水換えの時期
水換えの時期というのは、実は一律固定された目安というものは存在しません。水槽の飼育環境により、その目安となる水換えの時期はバラバラなのです。
一般的に、「週に一度、3分の1程度の水換え」という目安情報を聞いたことがあるかもしれません。
この目安は、「硝酸塩の値が許容範囲を保てるおおよその周期」とするものです。熱帯魚飼育の初心者向けに、水換えの目安時期とする情報として使われますが、世の水槽全てに共通する適切タイミングではないのです。
では、水換えの適切な時期はどうやった判断するのでしょうか?
それは、定期的に水槽内の水質データを測定することでわかります。
水質測定には、試験紙や試薬、デジタル式の測定器などがあり、これらを使って水質を測定します。
硝酸塩の測定値から、部分的な水換えが必要であったり、50%以上の水換えが必要であったり、測定値で判断することが可能になります。
「硝酸塩」
12mg以下 … 水の状態は適切。
13mg以上 … モ類の発生が促進される環境。3分の1程度の水換えが求められる。
25mg以上 … コケがすぐにはびこる水質環境。2分の1以上の水交換が必要。
などが判定できます。
また、水換えの交換時期の目安として、pH(ペーハー)値から判断するアクアリストも存在します。慣れてきたら、このような硝酸塩やpH値の情報から適切な水換えの時期を知れるようにしましょう。
これができることは、すなわち「目に見えない水槽水の状態を把握できる」ということです! まさに名アクアリストへ一歩近づける要素ではないでしょうか!
■熱帯魚飼育を始めたばかりの人
→1週間に1度、3分の1程度の水換えをする
■熱帯魚飼育に慣れてきた人
→水質測定の試験紙等を用いて、硝酸塩やpH値の情報から適切な水換え時期、効果量を判断する
などというステップアップで良いのではないでしょうか。
名アクアリストになるために、ぜひステップアップした飼育を目指していきましょう!